浴衣の着付け、男と女の違い3つ!帯の結び方の他は…?

もうすぐ暑い夏がまたやってきます。夏になると浴衣で夏祭りや花火大会に出掛けたりする人も多いですね。
浴衣は日本の夏が感じられる日本特有のファッションで、特に女性には遊び心のあるデザインや今時のトレンドなども取り入れた色柄が豊富に揃い夏のファッションとしても定着した感があります。着物と違って浴衣は着付けも少し手軽で敷居が低い点が人気の秘訣かもしれません。
ただ、着物に比べて手軽に着られるとはいえ、なかなか自分で着付けられる人は少ないようですし、自分で着る人も1年に一度か二度着るだけなので、思い出しながら手探りで着る人がほとんどではないでしょうか?
そして毎年「あれ、どうだった?どう着るんだった?」ということが起こります。
ここでは着物、とりわけ浴衣の着付けの中で男性と女性の違いを確認していきたいと思います。
襟合わせ
さてここで質問です!
浴衣の着付け、男性と女性の衿合わせはどちらが上だと思いますか?
答えは・・・同じなんです。
洋服の場合は男女でボタンの合わせが違います。ところが浴衣は男女一緒の衿合わせで着ます。男性も女性も浴衣は「右前」で着るんです。
ここで一つ、少しややこしい所ですが、右前というと右側の襟を上にして合わせるものと勘違いしそうですが、この場合、自分から見て右側の衿を下にして、それから左側の衿を上から重ねることを「右前」と言います。
何故かというと、着物用語としては 「時間的に先にすること」を「前」というそうです。上にくるのが「前」ではなく、先に合わせるから「前」と覚えましょう。
「右前」の反対、「左前」に合わせると大変です。
「左前」というのは死人の着物(いわゆる死に装束)の着方とされており、「左前」で着る事は縁起が悪いとされているからです。
と言うよりは、生きている人が「右前」で着るので、亡くなった方に着せる時には反対にした…という方が正しいかと思いますが。
意外と男女で着方に違いの無かった浴衣ですが、衿合わせ以外の色々な所で男女の違いはありました。
衿合わせ以外の浴衣を着る時の男女の違いをいくつかご紹介します。
おはしょり
例えば女性は浴衣を着る時もおはしょりをして着ますが、男性はおはしょり無しで、腰の位置で紐や帯で着物を固定します。男性がウエストで帯を巻いていることがありますが、間違いですので気を付けましょう。
また、女性は胸の下あたりの高い位置で締めたほうがきれいですが、最近では着慣れないせいか、少し低めの位置で結ぶ人も多くなっているようです。まさか男性と同じように腰で巻く人はいないと思いますが、やはり少し高めの位置の方が若々しく見えるようですよ。
女性がおはしょりをして着るようになったいきさつには諸説があるようですが、昔、小袖の着物を夜寝る時の寝具代わりにもしていたので、少し長めにしていて、昼間着る時には丈に合わせて紐で調節をしていた、という説には納得できます。
なぜという点ではやはり、おはしょり無しでは襟が開きやすかったり、お腹周りがしわになったりと着崩れしやすくなるからです。
首回り
次に首回りですが、男性が浴衣を着る時には衿は首に沿わせます。衿を首の回りに立てるような感じになります。
衿元がだらしないとげんなり来るので、男性には浴衣とはいえ、きりっと美しく衿元正しく着てほしいですね。
対して女性はよく「衣紋を抜く」と言いますが、後ろ側の襟を少し首から離して着ます。ただ、抜きすぎると少し下品な感じになりますし、未成年の幼い子供たちは女性とはいえ 抜きすぎない方がよいでしょう。
帯の結び方
男性の帯には「角帯」と「兵児帯」の2種類があり、ちょうちょ結びでも粋に見える兵児帯、簡単に結べる割には着崩れしにくい角帯と、種類も結び方もやはり女性に比べると簡単。
女性の帯には男性同様「兵児帯」、明治時代から使われている「半幅帯」、そして「八寸名古屋帯」などがあります。
八寸名古屋帯とは、半幅の倍、8寸サイズのもので少しよそ行き感も出るしっかり目の帯です。
帯結びは難しく感じますが浴衣の場合、特に半幅帯などは帯幅が狭いので、簡単にリボン結びなどでもリボンの長さ、たれの長さを変えるだけで、年齢に応じた雰囲気を変えられるため、一つ覚えておくと便利です。
まとめ
元々は入浴時に着る為の着物であった浴衣が、外湯に行く時用の着物になり、時代が移りゆく中で用途を変えて、現代では夏の暑い時期に涼を感じる日本の風物詩的なファッションにまで格をあげた浴衣です。
その浴衣、手軽に日本の夏を感じられる浴衣は男女で着方が少し違っていました。衿合わせは、洋服に慣れてしまっている中で、意外にも男女の差はありませんでしたが、首元や帯の結び位置など覚えておかないと、着た時に恥ずかしい思いをするものもありました。
そこには、日本人として、女性らしさと男性らしさを感じさせる細かな気配りを感じ風情を感じます。
洋服に比べるとやはり多少着る手間のかかる浴衣ですが、今年の夏はお祭りだけではなく、もっと手軽に男性も女性も浴衣を楽しみたいですね。
コメントはこちらから